4年償却の基礎 公開: 2025.01.23
簡便法と見積法の違い|どちらを選ぶべきか
中古資産の耐用年数の決め方
中古の建物を購入した場合、新築と同じ耐用年数を使うのは不合理です。そこで、中古資産には特別な耐用年数の計算方法が用意されています。
方法は2つあります。
- 簡便法:計算式で自動的に決まる
- 見積法:使用可能期間を見積もる
簡便法とは
簡便法は、中古資産の耐用年数を計算式で簡易に決める方法です。
法定耐用年数を全て経過した場合
耐用年数 = 法定耐用年数 × 20%
木造(法定耐用年数22年)の場合:
22年 × 20% = 4.4年 → 4年(端数切捨て)
築22年超の木造建物は、この計算で一律4年になります。
法定耐用年数の一部を経過した場合
耐用年数 = (法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 20%
築15年の木造の場合:
(22年 − 15年)+ 15年 × 20% = 7年 + 3年 = 10年
見積法とは
見積法は、その資産があと何年使用できるかを合理的に見積もって耐用年数を決める方法です。
特徴:
- 専門家(建築士、不動産鑑定士等)の評価が必要
- 税務署に認められる合理的な根拠が必要
- 簡便法より短い年数にできる可能性がある
簡便法 vs 見積法の比較
| 項目 | 簡便法 | 見積法 |
|---|---|---|
| 計算の容易さ | ◎ 簡単 | △ 複雑 |
| 費用 | なし | 鑑定費用が必要 |
| 税務リスク | 低い | 高い |
| 耐用年数 | 計算式で一律 | 個別に見積もり |
| 実務での使用頻度 | ◎ 高い | × 低い |
なぜ築古木造では簡便法を使うのか
築22年超の木造アパート投資では、ほぼ100%簡便法が使われます。
理由:
-
4年が実質的な最短
- 見積法で3年以下を認めてもらうのは極めて困難
- 建物が3年で使えなくなる根拠を示す必要がある
-
手続きの煩雑さ
- 見積法は専門家の鑑定書が必要
- 費用対効果が見合わない
-
税務調査リスク
- 見積法で短い年数を主張すると調査対象になりやすい
- 簡便法なら計算式どおりで安全
見積法が有効なケース
見積法を検討する価値があるのは、以下のような特殊なケースです。
- 建替え予定が確定している土地の建物
- 定期借地権上の建物(残存期間が明確)
- 解体を前提とした建物の取得
これらは「使用可能期間」を客観的に証明しやすいです。
簡便法の注意点
-
適用要件
- 中古資産を購入した事業者が対象
- 自ら使用していた資産には適用不可
-
購入後の大規模修繕
- 購入価額の50%以上の修繕を行うと簡便法が使えない
- 再取得価額の50%以上の場合も同様
-
端数処理
- 計算結果が1年未満の端数は切捨て
- 2年未満になる場合は2年
まとめ
- 中古資産の耐用年数は簡便法か見積法で決める
- 築古木造アパートでは簡便法(4年)を使うのが実務上の標準
- 見積法は手続きが複雑でリスクが高く、メリットが少ない
- 購入後の大規模修繕で簡便法が使えなくなる点に注意


