この記事でわかること

Q. 資本的支出と修繕費の違いは何ですか?
A. 資本的支出は資産の価値を高める支出で減価償却が必要です。修繕費は原状回復のための支出で、その年の経費として全額計上できます。
Q. リノベーション費用は一括で経費にできますか?
A. 原則できません。資産価値を高める工事は資本的支出として資産計上し、減価償却します。ただし20万円未満の少額は修繕費として処理可能です。
Q. 資本的支出の耐用年数は何年ですか?
A. 原則として本体の建物と同じ耐用年数です。築古木造の場合、簡便法が使えなくなり22年の法定耐用年数が適用される点に注意が必要です。
Q. 簡便法が使えなくなるのはどんな場合ですか?
A. 取得価額の50%を超える資本的支出を行った場合、または再取得価額の50%を超える場合に簡便法が適用できなくなります。
Q. 修繕費として認められる工事の例は?
A. 壊れた設備の交換、外壁の塗り替え(同程度の材料)、雨漏り修理など、原状回復を目的とした工事が該当します。
リノベーション費用の減価償却|資本的支出と修繕費
4年償却の基礎 公開: 2025.01.23

リノベーション費用の減価償却|資本的支出と修繕費

資本的支出と修繕費の違い

リノベーション費用を経費処理する際、「資本的支出」と「修繕費」の区分が重要です。

区分内容税務処理
資本的支出資産価値を高める・耐用年数を延ばす資産計上→減価償却
修繕費原状回復・維持管理全額を経費計上

判断を誤ると、税務調査で否認されるリスクがあります。

資本的支出の具体例

明らかに資本的支出となるもの

  • 間取り変更工事
  • 建物の増築・改築
  • 用途変更のための模様替え
  • 避難階段などの設置
  • グレードアップを伴う設備更新

判断が必要なもの

  • エアコンの新設(従来なかった場所への設置)
  • 外壁のグレードアップ塗装
  • 駐車場のアスファルト舗装

修繕費の具体例

明らかに修繕費となるもの

  • 壊れた設備の同等品への交換
  • 外壁の塗り替え(同程度の材料)
  • 雨漏りの修理
  • 畳・壁紙の張替え

少額基準

  • 20万円未満:金額に関係なく修繕費として処理可
  • 3年以内の周期:おおむね3年以内の周期で行う支出は修繕費

資本的支出の減価償却

資本的支出は、建物とは別に減価償却を行うのが原則です。

重要な注意点:

資本的支出の耐用年数は、本体建物の法定耐用年数を使用します。

築古木造の場合:

  • 建物本体:簡便法で4年償却
  • 資本的支出:法定耐用年数22年で償却

同じ建物でも、資本的支出部分は22年かけて償却することになります。

簡便法が使えなくなるケース

築古木造の4年償却を前提に購入した場合、以下の条件に該当すると簡便法が適用できなくなります。

取得価額の50%基準

購入後に行った資本的支出が、取得価額の50%を超える場合

例:

  • 建物取得価額:3,000万円
  • リノベーション費用:1,600万円(53%)
  • 結果:簡便法適用不可

再取得価額の50%基準

資本的支出が再取得価額(新築した場合の価格)の50%を超える場合も同様です。

4年償却を維持するための対策

1. 購入前にリノベーション計画を立てる

大規模リノベーションが必要な物件は、購入前に費用を見積もり、50%基準を超えないか確認します。

2. 売主にリノベーションしてもらう

購入前に売主負担でリノベーションを行い、完成後に購入する方法。取得価額に含まれるため、50%基準の問題が生じません。

3. 修繕費として処理できる範囲で工事

グレードアップを避け、原状回復に留めることで修繕費として全額経費化。

実務上の判断フロー

工事費用が発生

20万円未満か? → Yes → 修繕費
    ↓ No
原状回復目的か? → Yes → 修繕費の可能性高い
    ↓ No
価値向上・耐用年数延長か? → Yes → 資本的支出

判断が難しい場合は、税理士に相談することをお勧めします。

まとめ

  • リノベーション費用は資本的支出か修繕費かで税務処理が異なる
  • 資本的支出は法定耐用年数(22年)で減価償却
  • 取得価額の50%超の資本的支出で簡便法が使えなくなる
  • 4年償却を維持するには、購入前の計画が重要

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