4年償却の基礎 公開: 2025.01.23
リノベーション費用の減価償却|資本的支出と修繕費
資本的支出と修繕費の違い
リノベーション費用を経費処理する際、「資本的支出」と「修繕費」の区分が重要です。
| 区分 | 内容 | 税務処理 |
|---|---|---|
| 資本的支出 | 資産価値を高める・耐用年数を延ばす | 資産計上→減価償却 |
| 修繕費 | 原状回復・維持管理 | 全額を経費計上 |
判断を誤ると、税務調査で否認されるリスクがあります。
資本的支出の具体例
明らかに資本的支出となるもの
- 間取り変更工事
- 建物の増築・改築
- 用途変更のための模様替え
- 避難階段などの設置
- グレードアップを伴う設備更新
判断が必要なもの
- エアコンの新設(従来なかった場所への設置)
- 外壁のグレードアップ塗装
- 駐車場のアスファルト舗装
修繕費の具体例
明らかに修繕費となるもの
- 壊れた設備の同等品への交換
- 外壁の塗り替え(同程度の材料)
- 雨漏りの修理
- 畳・壁紙の張替え
少額基準
- 20万円未満:金額に関係なく修繕費として処理可
- 3年以内の周期:おおむね3年以内の周期で行う支出は修繕費
資本的支出の減価償却
資本的支出は、建物とは別に減価償却を行うのが原則です。
重要な注意点:
資本的支出の耐用年数は、本体建物の法定耐用年数を使用します。
築古木造の場合:
- 建物本体:簡便法で4年償却
- 資本的支出:法定耐用年数22年で償却
同じ建物でも、資本的支出部分は22年かけて償却することになります。
簡便法が使えなくなるケース
築古木造の4年償却を前提に購入した場合、以下の条件に該当すると簡便法が適用できなくなります。
取得価額の50%基準
購入後に行った資本的支出が、取得価額の50%を超える場合
例:
- 建物取得価額:3,000万円
- リノベーション費用:1,600万円(53%)
- 結果:簡便法適用不可
再取得価額の50%基準
資本的支出が再取得価額(新築した場合の価格)の50%を超える場合も同様です。
4年償却を維持するための対策
1. 購入前にリノベーション計画を立てる
大規模リノベーションが必要な物件は、購入前に費用を見積もり、50%基準を超えないか確認します。
2. 売主にリノベーションしてもらう
購入前に売主負担でリノベーションを行い、完成後に購入する方法。取得価額に含まれるため、50%基準の問題が生じません。
3. 修繕費として処理できる範囲で工事
グレードアップを避け、原状回復に留めることで修繕費として全額経費化。
実務上の判断フロー
工事費用が発生
↓
20万円未満か? → Yes → 修繕費
↓ No
原状回復目的か? → Yes → 修繕費の可能性高い
↓ No
価値向上・耐用年数延長か? → Yes → 資本的支出
判断が難しい場合は、税理士に相談することをお勧めします。
まとめ
- リノベーション費用は資本的支出か修繕費かで税務処理が異なる
- 資本的支出は法定耐用年数(22年)で減価償却
- 取得価額の50%超の資本的支出で簡便法が使えなくなる
- 4年償却を維持するには、購入前の計画が重要


