4年償却の基礎 公開: 2025.01.23
減価償却の開始時期|事業供用日と取得日の違い
減価償却の開始タイミング
減価償却は「事業供用日」から開始します。
事業供用日とは、建物を実際に賃貸事業に使い始めた日のことです。売買契約日や引渡日ではありません。
ポイント:
- 空室物件:入居者募集を開始し、貸し出せる状態になった日
- オーナーチェンジ物件:引渡日(既に事業用として使われている)
取得日と事業供用日の違い
| 日付の種類 | 意味 | 減価償却との関係 |
|---|---|---|
| 契約日 | 売買契約を締結した日 | 関係なし |
| 取得日(引渡日) | 所有権が移転した日 | 譲渡所得の起算点 |
| 事業供用日 | 事業に使い始めた日 | 減価償却の開始日 |
不動産投資では、引渡日と事業供用日が同じになることが多いですが、リノベーション工事を行う場合などは異なります。
月割計算のルール
初年度の減価償却費は、事業供用月から12月までの月数で按分します。
計算式:
初年度償却費 = 年間償却費 × (事業供用月から12月の月数)÷ 12
例:7月に事業供用、年間償却費1,200万円の場合
初年度償却費 = 1,200万円 × 6/12 = 600万円
事業供用月の考え方
事業供用日が月の途中でも、その月全体を1ヶ月としてカウントします。
例:
- 7月15日に事業供用 → 7月から12月で6ヶ月分
- 7月1日に事業供用 → 7月から12月で6ヶ月分
- 6月30日に事業供用 → 6月から12月で7ヶ月分
月初に引渡しを受けても月末でも、同じ月であれば償却月数は変わりません。
初年度の償却を最大化するタイミング
年初(1月)に事業供用すれば、初年度から12ヶ月分のフル償却が可能です。
償却月数と初年度償却費の比較(年間1,200万円の場合):
| 事業供用月 | 償却月数 | 初年度償却費 |
|---|---|---|
| 1月 | 12ヶ月 | 1,200万円 |
| 4月 | 9ヶ月 | 900万円 |
| 7月 | 6ヶ月 | 600万円 |
| 10月 | 3ヶ月 | 300万円 |
| 12月 | 1ヶ月 | 100万円 |
年末に購入すると初年度の償却が1ヶ月分しかなく、節税効果が小さくなります。
オーナーチェンジ物件の場合
既に入居者がいるオーナーチェンジ物件は、引渡日が事業供用日になります。
前オーナーが賃貸事業を行っていた建物を引き継ぐため、引渡しと同時に事業を開始したとみなされます。
工事や準備期間が不要なため、タイミングの計画が立てやすいメリットがあります。
リノベーション工事がある場合
空室物件を購入してリノベーション工事を行う場合、工事完了後が事業供用日になります。
例:
- 4月1日:物件引渡し(取得日)
- 5月31日:リノベーション工事完了
- 6月1日:入居者募集開始(事業供用日)
この場合、減価償却は6月から開始です。
まとめ
- 減価償却は事業供用日から開始(取得日ではない)
- 初年度は月割計算で、事業供用月からカウント
- 年初に事業供用すればフル償却が可能
- オーナーチェンジ物件は引渡日=事業供用日


