4年償却の基礎 公開: 2025.01.23
減価償却スケジュール作成|4年間のシミュレーション
4年償却スケジュールの基本
築22年超の木造アパートは、簡便法により4年で建物価額全額を償却できます。
基本の計算:
年間償却費 = 建物取得価額 ÷ 4年
購入時点で4年間の償却スケジュールを作成し、キャッシュフローと税金の推移を把握しておくことが重要です。
シミュレーション条件
以下の条件で4年償却のシミュレーションを行います。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 物件価格 | 8,000万円 |
| 建物価格 | 5,000万円 |
| 土地価格 | 3,000万円 |
| 年間家賃収入 | 600万円 |
| 経費(償却費除く) | 100万円 |
| 購入者の所得税率 | 45%(住民税込み55%) |
年度別償却スケジュール
建物5,000万円、4年償却の場合:
| 年度 | 年間償却費 | 累計償却額 | 未償却残高 |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 1,250万円 | 1,250万円 | 3,750万円 |
| 2年目 | 1,250万円 | 2,500万円 | 2,500万円 |
| 3年目 | 1,250万円 | 3,750万円 | 1,250万円 |
| 4年目 | 1,250万円 | 5,000万円 | 0円 |
| 5年目〜 | 0円 | 5,000万円 | 0円 |
4年目で償却完了し、5年目以降は償却費がなくなります。
キャッシュフローシミュレーション
1〜4年目(償却期間中)
家賃収入: 600万円
経費: △100万円
減価償却費:△1,250万円
────────────────
不動産所得: △750万円(赤字)
この赤字750万円を給与所得と損益通算:
給与所得2,000万円 + 不動産所得△750万円 = 課税所得1,250万円
節税効果:750万円 × 55% = 約412万円
5年目以降(償却終了後)
家賃収入: 600万円
経費: △100万円
減価償却費: 0円
────────────────
不動産所得: 500万円(黒字)
不動産所得500万円に課税:
追加税負担:500万円 × 55% = 約275万円
これがデッドクロスの正体です。
4年間の節税効果総額
| 年度 | 償却費 | 節税効果(税率55%) |
|---|---|---|
| 1年目 | 1,250万円 | 687万円 |
| 2年目 | 1,250万円 | 687万円 |
| 3年目 | 1,250万円 | 687万円 |
| 4年目 | 1,250万円 | 687万円 |
| 合計 | 5,000万円 | 約2,750万円 |
4年間で約2,750万円の節税効果。ただし、売却時に税金が発生する点に注意。
月割計算が発生するケース
事業開始が年の途中の場合、初年度は月割計算になります。
例:7月に事業開始の場合
| 年度 | 償却月数 | 償却費 |
|---|---|---|
| 1年目 | 6ヶ月 | 625万円 |
| 2年目 | 12ヶ月 | 1,250万円 |
| 3年目 | 12ヶ月 | 1,250万円 |
| 4年目 | 12ヶ月 | 1,250万円 |
| 5年目 | 6ヶ月 | 625万円 |
| 合計 | 48ヶ月 | 5,000万円 |
5年目に残り6ヶ月分の償却が残る点に注意してください。
出口戦略を含めた長期計画
推奨スケジュール:
| 年 | アクション |
|---|---|
| 1年目 | 購入・償却開始 |
| 2〜4年目 | 償却による節税 |
| 5年目 | 償却終了・売却準備 |
| 6年目〜 | 長期譲渡所得で売却 |
5年超保有で長期譲渡所得(税率約20%)が適用されるため、6年目以降の売却が有利です。
スケジュール作成のポイント
-
購入時点で出口まで計画
- 4年償却+2年保有=6年での売却を想定
-
月割計算を考慮
- 年初に購入すればフル償却可能
-
キャッシュフロー表を作成
- 年度ごとの税金とキャッシュを把握
-
売却後の税金も試算
- 譲渡所得税を含めたトータルで判断
まとめ
- 4年償却は毎年建物価額の25%を経費計上
- 高所得者は4年間で数千万円の節税効果
- 5年目以降は償却がなくなりキャッシュフロー悪化
- 購入時に6年間のスケジュールを作成すべき


