借入金利子の経費計上|土地分の制限に注意

借入金利子の経費計上|土地分の制限に注意

税務・確定申告 2026.02.20 公開

この記事でわかること

Q. 借入金利子は全額経費になりますか?
A. 借入金利子は経費になりますが、不動産所得が赤字の場合、「土地取得のための借入金利子」は損益通算から除外されます。建物部分の利子は損益通算できますが、土地部分は損益通算の対象外となります。
Q. 土地と建物の借入金利子はどう分けますか?
A. 購入価格の土地と建物の比率で按分します。例えば、総額5,000万円(土地2,000万円、建物3,000万円)の借入金利子100万円の場合、土地分40万円、建物分60万円となります。
Q. 元本返済額は経費になりますか?
A. いいえ、元本返済額は経費になりません。借入金の返済は、利子(利息)部分のみが経費となり、元本部分は資産の取得に充てられるため経費にはなりません。
Q. 現金購入の場合、借入金利子の問題は発生しませんか?
A. はい、現金購入であれば土地分の借入金利子制限は関係ありません。損益通算で制約を受けないため、シンプルに減価償却費による節税効果を得られます。
Q. 借入金利子の土地分制限を回避する方法はありますか?
A. 建物分と土地分を別々のローンで借りて建物分を先に返済する方法や、法人で借り入れる場合は土地分制限が適用されないため法人での購入を検討する方法があります。税理士に最適な方法を相談しましょう。

借入金利子とは

借入金利子とは、不動産購入のために借り入れたローンの利息部分のことです。

不動産所得の計算において、借入金利子は重要な経費項目です。

借入金利子の経費計上ルール

基本ルール

項目取り扱い
借入金利子経費(必要経費)
借入金元本返済経費にならない

損益通算の制限

不動産所得が赤字の場合、土地取得のための借入金利子は損益通算から除外されます。

不動産所得(赤字)から除外する金額:
土地取得のための借入金利子

土地・建物の按分計算

按分の考え方

土地と建物を一括で購入した場合、借入金利子を土地分と建物分に按分します。

土地分の利子 = 総利子 × 土地価格 ÷ 総借入額
建物分の利子 = 総利子 × 建物価格 ÷ 総借入額

計算例

項目金額
物件価格5,000万円
土地価格2,000万円
建物価格3,000万円
借入額4,000万円
年間利子100万円

按分計算

土地分の利子 = 100万円 × 2,000万円 ÷ 4,000万円 = 50万円
建物分の利子 = 100万円 × 3,000万円 ÷ 4,000万円 = 50万円
※借入額が物件価格より少ないため、比例按分

実際には、借入金の充当順序によって計算方法が異なる場合があります。

損益通算の制限の具体例

ケース1:不動産所得が黒字

項目金額
家賃収入500万円
減価償却費300万円
借入金利子(全額)100万円
その他経費50万円
不動産所得50万円(黒字)

黒字の場合は、土地分の利子も含めて全額経費として計算します。

ケース2:不動産所得が赤字

項目金額
家賃収入500万円
減価償却費800万円
借入金利子(全額)100万円
その他経費50万円
不動産所得▲450万円(赤字)
項目金額
土地分の利子40万円
損益通算できる赤字▲450万円 + 40万円 = ▲410万円

赤字の場合は、土地分の利子を損益通算から除外します。

計算の手順

ステップ1:総借入金利子の確認

金融機関から送られる返済予定表で、年間の利子支払額を確認します。

ステップ2:土地・建物の価格比率を確認

売買契約書、固定資産税評価額、不動産鑑定などを参考に、土地と建物の価格を把握します。

ステップ3:按分計算

借入金利子を土地分と建物分に按分します。

ステップ4:損益通算の判定

不動産所得が赤字の場合のみ、土地分の利子を損益通算から除外します。

注意点

1. 黒字の場合は制限なし

不動産所得が黒字であれば、土地分の利子も含めて全額経費として計算できます。制限がかかるのは赤字の場合のみです。

2. 複数物件の場合

複数物件を保有している場合、不動産所得は合計で計算します。

物件A:黒字100万円
物件B:赤字300万円(土地利子50万円含む)
合計:赤字200万円
→ 土地利子50万円を除外 → 損益通算は150万円

3. 購入年の利子

購入年は、物件取得日以降の利子のみが経費となります。

4. 借入金の用途

不動産購入以外の借入金(生活費など)の利子は経費になりません。

申告書への記入

確定申告書の「不動産所得」欄で、以下の金額を記入します。

  • 必要経費の欄:借入金利子(全額)
  • 土地等を取得するために要した負債の利子の額:土地分の利子

e-Taxや会計ソフトでは、自動計算されることが多いです。

まとめ

  • 借入金利子は経費だが、元本返済は経費にならない
  • 不動産所得が赤字の場合、土地分の利子は損益通算から除外
  • 土地と建物の按分は購入価格の比率で計算
  • 黒字の場合は制限なく全額経費として計算可能
  • 確定申告書に土地分の利子を正しく記入

土地利子の損益通算制限は、4年償却投資の節税計算に影響します。正確な計算のために、税理士への相談をおすすめします。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の税務上の助言ではありません。税制は法令改正や国税庁の通達等により取扱いが変更される場合があります。具体的な税務判断については、必ず税理士等の専門家にご相談ください。

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