この記事でわかること

Q. 不動産の売却はいつがベストですか?
A. 税務上は、取得から5年超(長期譲渡所得)になってからが有利です。短期譲渡所得の税率約39%に対し、長期譲渡所得は約20%と大幅に低くなります。4年償却投資の場合、5〜6年目が一つの目安です。
Q. 5年の判定基準はいつからですか?
A. 売却した年の1月1日時点で、取得から5年を超えているかで判定します。例えば、2024年7月に購入した物件は、2030年1月1日以降に売却すれば長期譲渡所得となります。単純に5年後ではないので注意が必要です。
Q. 市況が良いときに5年未満でも売るべきですか?
A. ケースバイケースです。短期譲渡と長期譲渡の税率差は約19%あるため、この差額以上に市況が変動するかがポイントです。市況がピークと判断し、今後の下落が見込まれるなら、税負担が増えても早期売却が有利な場合もあります。
売却タイミングの最適化|市況と税金を考慮した判断
出口戦略・売却 公開: 2025.01.15

売却タイミングの最適化|市況と税金を考慮した判断

売却タイミングの重要性

不動産の売却タイミングは、税金と市況の両面で投資収益に大きく影響します。

特に4年償却投資では、償却終了後の売却を視野に入れた計画が重要です。

税務上の売却タイミング

短期譲渡所得と長期譲渡所得

不動産の譲渡所得は、保有期間によって税率が大きく異なります。

区分保有期間税率(所得税+住民税)
短期譲渡所得5年以下39.63%
長期譲渡所得5年超20.315%

税率差:約19%

5年の判定方法

保有期間は、売却した年の1月1日時点で判定します。

  • 取得日:2024年7月1日
  • 短期譲渡:2029年12月31日までの売却
  • 長期譲渡:2030年1月1日以降の売却

単純に取得から5年後ではなく、6年目の年明けから長期譲渡となります。

シミュレーション比較

条件短期譲渡(4年11ヶ月)長期譲渡(5年1ヶ月)
売却価格5,000万円5,000万円
取得費+譲渡費用3,000万円3,000万円
譲渡所得2,000万円2,000万円
税額793万円406万円
税額差-▲387万円

たった2ヶ月の違いで、約400万円の差が出ます。

市況を考慮した売却タイミング

売り時のサイン

サイン意味
不動産価格の上昇高値で売却できる可能性
金利の上昇傾向買い手の減少、今後の価格下落
物件需要の増加早期売却が可能
築古市場の活況節税ニーズの高まり

売らない方がいいサイン

サイン意味
市場の過熱感バブル崩壊のリスク
金利の低下傾向今後さらに価格上昇の可能性
物件の収益性向上保有継続が有利

4年償却投資の最適売却時期

基本パターン:5〜6年目売却

年次戦略
1〜4年目減価償却費で節税
5年目長期譲渡所得の判定待ち
5〜6年目売却実行

判断フロー

4年償却終了

長期譲渡所得の判定日を確認

市況を評価

売却 or 継続保有を判断

年末・年始の売却タイミング

年内売却のメリット

  • その年の確定申告で損益通算できる
  • 赤字物件なら早めに売却して損失確定

年明け売却のメリット

  • 短期→長期の切り替わりを待てる
  • 翌年の申告となり、資金繰りに余裕

注意点

売買契約から引渡し(所有権移転)まで1〜2ヶ月かかることがあります。年内売却を目指すなら、10月頃には動き始めましょう。

デッドクロスを意識した売却

デッドクロスとは

ローン返済額の元本部分 > 減価償却費 となる状態のことです。

この状態になると、キャッシュアウト(返済)は多いのに、経費(減価償却費)が少なく、税負担が重くなります。

デッドクロス前の売却

4年償却終了後はデッドクロス状態になりやすいため、この前後での売却を検討します。

複数物件の売却順序

複数の物件を保有している場合、売却順序も重要です。

売却優先度の考え方

優先度条件
収益性が低下している物件
大規模修繕が近い物件
立地の将来性が低い物件
安定したキャッシュフローの物件
含み損がある物件(損失確定を避ける)

売却を先延ばしにするリスク

1. 物件価値の下落

築年数が進むほど、建物価値は下がります。

2. 修繕費用の増加

先延ばしにするほど、修繕の必要性が高まります。

3. 空室リスクの増大

古い物件は入居者確保が難しくなります。

4. 市況の変動

不動産市況は常に変動しており、売り時を逃すリスクがあります。

まとめ

  • 長期譲渡所得(5年超)の税率は短期の約半分
  • 5年の判定は「売却年の1月1日時点」で行う
  • 4年償却投資は5〜6年目での売却が基本パターン
  • 市況も考慮し、高値で売れるタイミングを狙う
  • 年末年始をまたぐ場合は判定日に注意
  • 先延ばしにするリスクも考慮して判断

売却タイミングは投資の最終収益を大きく左右します。税理士や不動産会社と相談しながら、最適なタイミングを見極めましょう。

4年償却に最適な物件を探す

4年償却ナビでは、築22年以上の木造物件を厳選してご紹介しています。

物件一覧を見る

関連記事