この記事でわかること

Q. 法人と個人で経費の範囲は違いますか?
A. はい、法人の方が経費として認められる範囲が広いです。例えば、社用車、役員社宅、生命保険、出張手当などは、法人では経費にしやすいですが、個人では認められにくいか、制限があります。
Q. 社用車は経費になりますか?
A. はい、業務に使用する車両は法人の経費(減価償却費)として認められます。ただし、私的使用がある場合は、業務使用割合に応じた按分が必要です。高級車でも業務上の必要性があれば経費計上可能ですが、税務調査で説明を求められることがあります。
Q. 役員社宅とは何ですか?
A. 役員社宅とは、法人が賃借または所有する物件を役員の住居として提供する制度です。役員は賃貸料相当額を負担しますが、通常の家賃より低い金額で済み、差額分が実質的な所得となりながら課税されません。
法人経費の活用法|個人では落とせない経費
法人戦略 公開: 2025.01.15

法人経費の活用法|個人では落とせない経費

法人経費の特徴

法人の経費は、個人事業主よりも認められる範囲が広いのが特徴です。

法人化することで、より多くの支出を経費として計上でき、節税効果を高められます。

法人で経費にできる主な項目

1. 社用車

法人名義の車両は、減価償却費、ガソリン代、保険料、駐車場代などを経費にできます。

経費項目内容
減価償却費車両本体の償却(普通車6年)
ガソリン代業務使用分
保険料自動車保険
車検・整備費メンテナンス費用
駐車場代月極駐車場など

注意点

  • 私的使用がある場合は按分が必要
  • 高級車は業務上の必要性を説明できるように
  • 走行記録をつけておく

2. 役員社宅

法人が賃借した物件を役員に提供し、役員から一定の家賃を徴収する制度です。

項目内容
法人負担大家に支払う家賃
役員負担賃貸料相当額(家賃の10〜50%程度)
経費計上法人負担 − 役員負担 = 経費

メリット

  • 役員は相場より安く住める
  • 差額は役員の課税所得にならない
  • 法人は家賃を経費計上できる

賃貸料相当額の計算 小規模住宅(床面積132㎡以下)の場合:

(固定資産税課税標準額×0.2%)+(12円×床面積)+(固定資産税課税標準額×0.22%)

3. 生命保険

法人契約の生命保険料は、一定の条件で経費(損金)にできます。

保険種類損金算入
定期保険全額損金
養老保険(福利厚生)1/2損金
終身保険資産計上(損金不可)

活用例

  • 逓増定期保険:退職金準備と節税を両立
  • 医療保険:役員の福利厚生として

4. 出張旅費

法人では「出張旅費規程」を定めることで、日当を経費にできます。

項目個人事業法人
交通費実費のみ実費+日当可
宿泊費実費のみ実費または規程額
日当不可可(規程による)

日当の目安

  • 国内出張:1,000〜3,000円/日
  • 海外出張:3,000〜10,000円/日

5. 交際費

取引先との飲食費や贈答品は交際費として経費にできます。

区分損金算入限度
資本金1億円以下年間800万円まで
資本金1億円超交際費の50%まで

注意点

  • 1人5,000円以下の飲食費は交際費から除外可能
  • 接待の記録(日時、相手、目的)を残す

6. 福利厚生費

従業員(役員含む)の福利厚生に関する支出です。

経費項目内容
健康診断費用人間ドック等
慶弔見舞金結婚・出産・弔事
社員旅行全員参加が原則
忘年会・新年会全員参加が原則

個人事業では難しい経費

経費項目個人事業法人
自宅兼事務所の家賃按分必要役員社宅で有利
自家用車按分厳格比較的認められやすい
生命保険料所得控除(上限あり)全額損金可能な商品あり
日当不可可(規程による)
退職金不可可(損金算入)

経費計上の注意点

1. 業務関連性

全ての経費は「業務に関連する支出」である必要があります。

2. 証拠書類の保存

領収書、請求書、契約書などは7年間保存が必要です。

3. 私的使用の按分

業務と私的使用が混在する場合は、適切に按分します。

4. 過大な経費は否認リスク

業務上の必要性を超える高額な支出は、税務調査で否認されるリスクがあります。

経費化のフロー

支出の発生

業務関連性の確認

証拠書類の保存

仕訳・記帳

決算で損金計上

まとめ

  • 法人は個人事業より経費の範囲が広い
  • 社用車、役員社宅、生命保険、出張日当などが活用可能
  • 経費計上には業務関連性と証拠書類が必要
  • 私的使用がある場合は適切な按分を行う
  • 過大な経費は税務調査で否認されるリスクあり

法人経費を適切に活用することで、節税効果を最大化できます。ただし、過度な経費計上は避け、税理士と相談しながら進めましょう。

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