法人戦略 公開: 2025.01.15
資産管理会社の設立方法|合同会社vs株式会社
資産管理会社とは
資産管理会社とは、個人の資産を管理・運用するために設立する法人のことです。
不動産投資においては、物件を法人名義で保有することで、さまざまな税務上のメリットを得ることができます。
資産管理会社を設立するメリット
1. 節税効果
| 項目 | 個人 | 法人 |
|---|---|---|
| 最高税率 | 55%(所得税+住民税) | 約34%(法人税等) |
| 経費の範囲 | 限定的 | 広い |
| 所得分散 | 難しい | 役員報酬で可能 |
| 損失の繰越 | 3年 | 10年 |
2. 相続対策
- 法人株式として相続できる
- 株式の評価額で相続税を計算
- 生前贈与がしやすい
3. 社会的信用
- 金融機関との取引で有利
- 複数物件の管理がしやすい
- 事業として認められやすい
合同会社vs株式会社の比較
設立費用
| 項目 | 合同会社 | 株式会社 |
|---|---|---|
| 定款認証 | 不要(0円) | 必要(約5万円) |
| 登録免許税 | 6万円 | 15万円 |
| 印紙代 | 0円(電子定款) | 0円(電子定款) |
| 合計 | 約6万円 | 約20万円 |
※司法書士に依頼する場合は別途5〜10万円程度
運営コスト
| 項目 | 合同会社 | 株式会社 |
|---|---|---|
| 決算公告 | 不要 | 必要(官報掲載費約6万円) |
| 役員任期 | なし | 最長10年(再選登記必要) |
| 株主総会 | 不要 | 必要 |
主な違い
| 項目 | 合同会社 | 株式会社 |
|---|---|---|
| 出資者の呼称 | 社員 | 株主 |
| 代表者の呼称 | 代表社員 | 代表取締役 |
| 意思決定 | 社員の同意 | 株主総会 |
| 利益分配 | 自由に設定可能 | 出資比率に応じる |
| 知名度 | 低い | 高い |
資産管理会社として選ぶなら
合同会社が向いているケース
- 設立費用を抑えたい
- 運営の手間を減らしたい
- 家族だけで運営する
- 対外的な信用をあまり重視しない
株式会社が向いているケース
- 将来的に事業拡大を考えている
- 対外的な信用を重視する
- 株式による相続対策を行いたい
- 外部から出資を受ける可能性がある
結論:不動産投資の資産管理会社としては、合同会社がコスト面で有利でおすすめです。
設立の手順
ステップ1:基本事項の決定
| 決定事項 | 検討ポイント |
|---|---|
| 商号(会社名) | 類似商号がないか確認 |
| 本店所在地 | 自宅または事務所 |
| 事業目的 | 不動産の賃貸業、売買業など |
| 資本金 | 1円から可能(100〜300万円が一般的) |
| 事業年度 | 決算月の設定 |
| 役員構成 | 代表者、その他役員 |
ステップ2:定款の作成
定款には以下の事項を記載します。
- 商号
- 事業目的
- 本店所在地
- 社員(出資者)の氏名・住所
- 出資金額
- 業務執行社員の定め
- 事業年度
ステップ3:出資金の払込み
代表社員の個人口座に出資金を振り込みます。
ステップ4:登記申請
法務局に設立登記を申請します。必要書類:
- 登記申請書
- 定款
- 出資金払込証明書
- 印鑑届出書
- 代表社員の印鑑証明書
ステップ5:届出
設立後、以下の届出が必要です。
- 税務署:法人設立届出書、青色申告承認申請書など
- 都道府県・市区町村:法人設立届出書
- 年金事務所:社会保険関連(役員報酬を支払う場合)
設立時の注意点
1. 資本金の設定
| 資本金額 | メリット・デメリット |
|---|---|
| 100万円以下 | 設立費用最小、融資で不利になる可能性 |
| 100〜300万円 | バランスが良い、一般的 |
| 1,000万円以上 | 消費税の免税期間が短くなる |
消費税の免税期間を考慮すると、資本金1,000万円未満での設立がおすすめです。
2. 役員構成
- 配偶者や家族を役員にすることで所得分散が可能
- 役員報酬の設定により節税効果を最大化
3. 事業年度の設定
物件取得時期を考慮して決算月を設定します。取得直後に決算を迎えると、初年度の節税効果が限定的になります。
まとめ
- 資産管理会社は不動産投資の節税・相続対策に有効
- 合同会社は設立費用が安く、運営の手間も少ないためおすすめ
- 株式会社は対外的信用や将来の事業拡大を重視する場合に選択
- 資本金は1,000万円未満で設定(消費税の免税期間確保)
- 役員構成や事業年度は税理士と相談して決定
資産管理会社の設立は、不動産投資を本格化させる重要なステップです。専門家と相談しながら最適な形態を選びましょう。


