この記事でわかること

Q. 法人を解散するにはどうすればいいですか?
A. 法人の解散は、①株主総会(社員総会)での解散決議、②解散登記、③清算手続き、④清算結了登記の流れで進めます。解散決議から清算結了まで、最短でも2〜3ヶ月程度かかります。
Q. 解散時に税金はかかりますか?
A. はい、清算所得に対して法人税がかかります。清算所得とは、残余財産の価額から解散時の資本金等を差し引いた金額です。また、残余財産を株主に分配する際は、配当所得として株主に課税されます。
Q. 物件を持ったまま法人を解散できますか?
A. 可能ですが、おすすめしません。法人の清算手続き中に物件を売却するか、株主に現物分配することになります。売却益に対する法人税や、分配時の課税を考慮すると、解散前に物件を処分した方がスムーズです。
法人の出口戦略|解散・清算の進め方
法人戦略 公開: 2025.01.15

法人の出口戦略|解散・清算の進め方

法人の出口戦略とは

法人の出口戦略とは、設立した法人をどのように終了させるかの計画です。

資産管理会社の場合、主に以下の選択肢があります。

出口戦略内容
解散・清算法人を終了させ、残余財産を分配
事業譲渡物件を別の法人や個人に売却
株式譲渡法人ごと第三者に売却
合併他の法人と統合
休眠活動を停止(法人格は維持)

解散・清算の流れ

全体の流れ

解散決議

解散登記

清算事務(債権回収・債務弁済・資産処分)

清算確定申告

残余財産の分配

清算結了登記

届出(税務署等)

ステップ1:解散決議

株主総会(合同会社の場合は社員総会)で解散を決議します。

会社形態必要な決議
株式会社株主総会の特別決議(2/3以上)
合同会社社員の全員一致

ステップ2:解散登記

解散から2週間以内に、法務局に解散登記を申請します。

必要書類

  • 解散登記申請書
  • 株主総会議事録(または社員総会議事録)
  • 清算人の就任承諾書
  • 印鑑届出書

費用:登録免許税3万円+司法書士報酬

ステップ3:清算事務

清算人が以下の業務を行います。

業務内容
債権の回収(家賃の回収など)
債務の弁済(借入金の返済など)
資産の処分(物件の売却など)
税務申告(清算確定申告)

ステップ4:残余財産の分配

債務を全て弁済した後、残った財産を株主に分配します。

残余財産 = 資産 − 債務 − 清算費用 − 税金

ステップ5:清算結了登記

全ての清算事務が完了したら、清算結了の登記を行います。

費用:登録免許税2,000円+司法書士報酬

税務上の取り扱い

解散事業年度の申告

解散日までの期間で通常の確定申告を行います。

清算事業年度の申告

解散後は清算中の各事業年度ごとに清算確定申告を行います。

清算所得課税

残余財産の分配時に、以下の計算で清算所得を求めます。

清算所得 = 残余財産の価額 − 解散時の資本金等 − 繰越欠損金

清算所得に対して法人税が課税されます。

株主への課税(みなし配当)

残余財産の分配を受けた株主には、みなし配当として課税されます。

みなし配当 = 分配額 − 株式の取得価額に対応する部分

役員退職金の活用

解散前に役員退職金を支給することで、法人の利益を減らし、節税できます。

退職金のメリット

法人側役員個人側
損金算入できる退職所得として優遇税制

適正な退職金額の算定

退職金 = 最終報酬月額 × 勤続年数 × 功績倍率

功績倍率の目安:

  • 代表取締役:2.0〜3.0倍
  • 取締役:1.5〜2.0倍

注意点

過大な退職金は、税務調査で否認される可能性があります。同業・同規模の相場を参考に設定しましょう。

物件を保有している場合

解散前に売却する

最も一般的な方法です。売却益に対して法人税がかかりますが、繰越欠損金があれば相殺できます。

株主に現物分配する

物件を金銭ではなく現物で分配することも可能です。ただし、時価で譲渡したものとみなされ、法人に譲渡所得が発生します。

株式ごと売却する

物件を持ったまま法人の株式を第三者に売却する方法もあります。清算手続きが不要で、買主が法人ごと取得します。

解散にかかる費用

費用項目目安金額
解散登記3万円+司法書士報酬
清算結了登記2,000円+司法書士報酬
官報公告約3万円
税理士費用10〜30万円
合計約20〜50万円

休眠という選択肢

すぐに解散せず、法人を休眠させる方法もあります。

休眠のメリット

  • 解散費用がかからない
  • 将来再び活用できる
  • 繰越欠損金を維持できる

休眠のデメリット

  • 法人住民税均等割(年間約7万円)は発生し続ける
  • 毎年の申告義務は残る
  • 12年以上登記がないと強制解散の対象

まとめ

  • 法人の出口戦略は、解散・清算、事業譲渡、株式譲渡などがある
  • 解散・清算は決議→登記→清算事務→結了登記の流れ
  • 清算所得と株主へのみなし配当に課税される
  • 解散前の役員退職金は節税に有効
  • 物件は解散前に売却するのがスムーズ
  • 休眠は解散の代替手段だが、均等割は発生し続ける

法人の出口戦略は、設立時から考えておくことが重要です。税理士と相談しながら、最適なタイミングと方法を検討しましょう。

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