融資・資金計画 公開: 2025.01.15
融資期間の設定戦略|返済期間と収支バランス
融資期間とは
融資期間とは、借入金を返済する期間のことです。期間設定によって月々の返済額、総返済額、キャッシュフローが大きく変わります。
築古木造物件の場合、法定耐用年数を超えているため、融資期間の設定には特有の制約があります。
築古物件の融資期間の決まり方
金融機関の考え方
多くの金融機関では、以下の計算式で融資期間の上限を設定しています。
融資期間 ≦ 法定耐用年数(22年)- 経過年数 + α
| 築年数 | 融資期間目安 |
|---|---|
| 築25年 | 10〜15年 |
| 築30年 | 10〜15年 |
| 築35年 | 10〜15年 |
| 築40年 | 10〜15年 |
※αは金融機関により異なる(5〜10年程度)
金融機関別の傾向
| 金融機関 | 融資期間の傾向 |
|---|---|
| メガバンク | 残存耐用年数が目安(短い) |
| 地方銀行 | +5〜10年の柔軟性あり |
| 信用金庫 | 比較的柔軟に対応 |
| ノンバンク | 20〜30年も可能 |
融資期間の長短による違い
融資期間が長い場合
メリット
- 月々の返済額が少ない
- キャッシュフローに余裕ができる
- 空室や修繕に対応しやすい
デメリット
- 総返済額(金利負担)が増える
- 残債の減りが遅い
- 売却時に残債が多く残る可能性
融資期間が短い場合
メリット
- 総返済額が少ない
- 早期に残債がなくなる
- 売却時の選択肢が広がる
デメリット
- 月々の返済負担が重い
- キャッシュフローが厳しくなる
- 空室リスクへの耐性が低い
シミュレーション比較
条件設定
- 借入額:4,000万円
- 金利:2.5%
- 元利均等返済
| 項目 | 15年返済 | 20年返済 | 25年返済 |
|---|---|---|---|
| 月々返済額 | 26.7万円 | 21.2万円 | 17.9万円 |
| 年間返済額 | 320万円 | 254万円 | 215万円 |
| 総返済額 | 4,800万円 | 5,080万円 | 5,370万円 |
| 金利負担 | 800万円 | 1,080万円 | 1,370万円 |
年間家賃収入が400万円の場合のキャッシュフロー:
- 15年返済:80万円
- 20年返済:146万円
- 25年返済:185万円
4年償却との関係
4年償却を活用する場合、償却期間と融資期間の関係を考慮する必要があります。
償却期間中(1〜4年目)
- 大きな減価償却費を計上
- 不動産所得は赤字になりやすい
- 損益通算で節税効果を得る
償却終了後(5年目以降)
- 減価償却費がなくなる
- 不動産所得が黒字化
- 税負担が増加
推奨戦略
| 投資目的 | 推奨する融資期間 |
|---|---|
| 短期節税→売却 | 4〜5年(償却期間に合わせる) |
| 中長期保有 | 15〜20年(キャッシュフロー重視) |
| インカム重視 | 20年以上(月々返済を抑える) |
融資期間設定のポイント
1. キャッシュフローを優先
少なくとも月々のキャッシュフローがプラスになる期間設定を。返済比率(返済額÷家賃収入)は50%以下が目安。
2. 出口戦略を考慮
5年後の売却を予定しているなら、その時点での残債を確認。残債が売却価格を上回らないように。
3. 繰上返済の余地を残す
余裕ができたら繰上返済できるよう、長めの期間で組んでおく戦略も有効。
4. 金融機関と交渉
融資期間は交渉次第で延ばせることも。複数の金融機関に相談して条件を比較。
まとめ
- 築古物件の融資期間は10〜20年が一般的
- 期間が長いとキャッシュフロー改善、短いと総支払額減少
- 4年償却終了後の税負担増加を考慮した設定が重要
- 返済比率50%以下を目安にキャッシュフローを確保
- 出口戦略を踏まえた期間設定を行う
融資期間は投資収益に大きく影響します。シミュレーションを十分に行い、最適な期間を設定しましょう。


