融資・資金計画 公開: 2025.01.15
現金購入のメリット・デメリット|レバレッジを使わない戦略
現金購入とは
現金購入とは、融資(ローン)を使わずに自己資金のみで物件を取得する方法です。
不動産投資では融資を活用したレバレッジ投資が一般的ですが、現金購入にも多くのメリットがあります。
現金購入のメリット
1. 金利負担がゼロ
融資を使わないため、金利コストが一切かかりません。
| 購入方法 | 5,000万円の物件(20年) |
|---|---|
| 現金購入 | 金利負担:0円 |
| 融資(金利2.5%) | 金利負担:約1,400万円 |
2. 安定したキャッシュフロー
返済がないため、家賃収入がそのまま手元に残ります。
空室や家賃下落が発生しても、返済に追われることがありません。
3. 審査不要・迅速な購入
- 融資審査を待つ必要がない
- 売主との交渉で優位に立てる
- 人気物件の取得競争で有利
4. 与信枠を温存できる
融資枠を使わないため、将来の投資や事業資金の借入に影響しません。
5. 精神的な安心感
借金を持たないことによる精神的なメリットは大きいです。市況変動や空室リスクに対して余裕を持って対応できます。
現金購入のデメリット
1. 投資効率(ROE)が低い
| 指標 | 現金購入 | 融資購入(LTV70%) |
|---|---|---|
| 物件価格 | 5,000万円 | 5,000万円 |
| 自己資金 | 5,000万円 | 1,500万円 |
| 年間家賃収入 | 500万円 | 500万円 |
| 年間返済額 | 0円 | 210万円 |
| 年間キャッシュフロー | 500万円 | 290万円 |
| ROE | 10% | 19.3% |
融資を活用した方が自己資金に対するリターンは高くなります。
2. 資金の固定化
5,000万円を1物件に投入すると、その資金は固定化されます。分散投資の観点からはリスクが集中します。
3. 機会損失
同じ資金で融資を活用すれば、複数物件への投資が可能です。
| 自己資金5,000万円 | 現金購入 | 融資活用 |
|---|---|---|
| 購入可能物件数 | 1棟 | 3〜5棟 |
| 総投資額 | 5,000万円 | 1.5〜2.5億円 |
現金購入が向いているケース
-
リスク回避を重視する方
- 借入による精神的負担を避けたい
- 安定したキャッシュフローを重視
-
与信枠が限られている方
- 既に複数物件を保有
- 事業融資を優先したい
-
退職金の運用
- 一括で入った退職金の運用先として
- インカムゲイン重視の投資
-
相続対策
- 現金より不動産の方が相続評価が下がる
- 借入を残したくない
-
4年償却による節税が主目的
- 減価償却費は融資の有無に関係なく計上可能
- シンプルな運用を好む方
現金購入と融資購入の比較表
| 項目 | 現金購入 | 融資購入 |
|---|---|---|
| 金利負担 | なし | あり |
| キャッシュフロー | 安定 | 返済負担あり |
| 投資効率(ROE) | 低い | 高い |
| 分散投資 | 難しい | 可能 |
| 審査 | 不要 | 必要 |
| リスク | 低い | 高い |
| 節税効果 | あり | あり |
まとめ
- 現金購入は金利負担ゼロ、安定キャッシュフローが最大のメリット
- 投資効率(ROE)は融資活用より低くなる
- リスク回避重視、与信枠温存、退職金運用に向いている
- 4年償却の節税効果は現金購入でも同じく得られる
- 自分の投資目的とリスク許容度に合わせて選択することが重要
現金購入か融資購入かは、投資スタイルや目的によって最適解が異なります。両方のメリット・デメリットを理解した上で判断しましょう。


