この記事でわかること

Q. 損益通算とは何ですか?
A. 損益通算とは、特定の所得で生じた赤字(損失)を、他の所得の黒字と相殺できる制度です。不動産所得の赤字は、給与所得や事業所得と損益通算でき、結果として所得税を減らすことができます。
Q. すべての赤字が損益通算できますか?
A. いいえ、損益通算できる所得は限定されています。不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の赤字のみが対象です。また、不動産所得の赤字のうち「土地取得のための借入金利子」は損益通算から除外されます。
Q. 損益通算した後も赤字が残ったらどうなりますか?
A. 青色申告者の場合、損益通算しきれなかった純損失は翌年以降3年間繰り越すことができます。将来の黒字と相殺して、節税効果を得られます。
損益通算のルール|赤字を活かす確定申告
税務・確定申告 公開: 2025.01.15

損益通算のルール|赤字を活かす確定申告

損益通算とは

損益通算とは、特定の所得の赤字を他の所得の黒字と相殺できる制度です。

4年償却投資では、減価償却費により不動産所得が赤字になり、この赤字を給与所得と損益通算することで節税効果を得ます。

損益通算できる所得

対象となる所得(赤字)

所得の種類損益通算
不動産所得
事業所得
山林所得
譲渡所得

対象とならない所得(赤字)

所得の種類損益通算
給与所得×
退職所得×
利子所得×
配当所得×
雑所得×
一時所得×

損益通算の順序

損益通算には順序があり、以下の手順で行います。

ステップ1:同じグループ内で通算

経常所得グループ

  • 不動産所得、事業所得、給与所得、雑所得など

譲渡・一時所得グループ

  • 譲渡所得、一時所得

まず同じグループ内で損益通算します。

ステップ2:グループ間で通算

グループ内で通算しきれなかった赤字を、他のグループの黒字と通算します。

ステップ3:山林所得・退職所得との通算

それでも残った赤字は、山林所得・退職所得と通算します。

不動産所得の損益通算ルール

基本的な考え方

不動産所得の赤字は、給与所得など他の所得と損益通算できます。

給与所得:1,500万円
不動産所得:▲500万円
課税所得:1,000万円

土地利子の除外

不動産所得の赤字のうち、「土地取得のための借入金利子」は損益通算から除外されます。

計算例

項目金額
不動産所得(赤字)▲600万円
うち土地の借入金利子100万円
損益通算できる金額▲500万円

土地利子の計算

土地と建物を一括で購入した場合、借入金利子を土地分と建物分に按分します。

土地の借入金利子 = 総借入金利子 × 土地価格 ÷ 総借入額

損益通算のシミュレーション

前提条件

項目金額
給与収入2,500万円
給与所得控除後2,255万円
不動産収入500万円
減価償却費1,000万円
その他経費200万円
土地の借入金利子50万円

計算

不動産所得

500万円 − 1,000万円 − 200万円 = ▲700万円

損益通算できる金額

▲700万円 + 50万円(土地利子除外)= ▲650万円

損益通算後の所得

2,255万円 − 650万円 = 1,605万円

節税効果

項目損益通算なし損益通算あり
課税所得2,255万円1,605万円
所得税(税率40%として)約650万円約400万円
節税額-約250万円

純損失の繰越控除

青色申告者の特典

損益通算してもなお赤字が残る場合、青色申告者は翌年以降3年間繰り越すことができます。

1年目:不動産所得▲1,000万円、給与所得800万円
→ 損益通算後も▲200万円の純損失
→ 翌年に繰越

2年目:給与所得800万円 − 繰越損失200万円 = 600万円
→ 節税効果

繰越の条件

  • 青色申告であること
  • 損失が生じた年から連続して確定申告していること
  • 確定申告書に繰越損失の金額を記載

注意点

1. 土地利子の除外を忘れずに

土地の借入金利子を含めて損益通算すると、過少申告になります。

2. 過度な節税は否認リスク

実質的に節税目的のみの不動産投資は、税務調査で否認されるリスクがあります。

3. 将来の黒字化を考慮

4年償却終了後は不動産所得が黒字化し、税負担が増えます。

まとめ

  • 損益通算は不動産所得の赤字を給与所得と相殺できる制度
  • 土地取得のための借入金利子は損益通算から除外
  • 通算しきれない損失は3年間繰り越し可能(青色申告)
  • 4年償却投資の節税効果は主に損益通算によるもの
  • 土地利子の按分計算を正確に行うことが重要

損益通算は4年償却投資の核心部分です。正確な計算のために、税理士への相談をおすすめします。

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