この記事でわかること

Q. 借入金利子は全額経費になりますか?
A. 借入金利子は経費になりますが、不動産所得が赤字の場合、「土地取得のための借入金利子」は損益通算から除外されます。建物部分の利子は損益通算できますが、土地部分は損益通算の対象外となります。
Q. 土地と建物の借入金利子はどう分けますか?
A. 購入価格の土地と建物の比率で按分します。例えば、総額5,000万円(土地2,000万円、建物3,000万円)の借入金利子100万円の場合、土地分40万円、建物分60万円となります。
Q. 元本返済額は経費になりますか?
A. いいえ、元本返済額は経費になりません。借入金の返済は、利子(利息)部分のみが経費となり、元本部分は資産の取得に充てられるため経費にはなりません。
借入金利子の経費計上|土地分の制限に注意
税務・確定申告 公開: 2025.01.15

借入金利子の経費計上|土地分の制限に注意

借入金利子とは

借入金利子とは、不動産購入のために借り入れたローンの利息部分のことです。

不動産所得の計算において、借入金利子は重要な経費項目です。

借入金利子の経費計上ルール

基本ルール

項目取り扱い
借入金利子経費(必要経費)
借入金元本返済経費にならない

損益通算の制限

不動産所得が赤字の場合、土地取得のための借入金利子は損益通算から除外されます。

不動産所得(赤字)から除外する金額:
土地取得のための借入金利子

土地・建物の按分計算

按分の考え方

土地と建物を一括で購入した場合、借入金利子を土地分と建物分に按分します。

土地分の利子 = 総利子 × 土地価格 ÷ 総借入額
建物分の利子 = 総利子 × 建物価格 ÷ 総借入額

計算例

項目金額
物件価格5,000万円
土地価格2,000万円
建物価格3,000万円
借入額4,000万円
年間利子100万円

按分計算

土地分の利子 = 100万円 × 2,000万円 ÷ 4,000万円 = 50万円
建物分の利子 = 100万円 × 3,000万円 ÷ 4,000万円 = 50万円
※借入額が物件価格より少ないため、比例按分

実際には、借入金の充当順序によって計算方法が異なる場合があります。

損益通算の制限の具体例

ケース1:不動産所得が黒字

項目金額
家賃収入500万円
減価償却費300万円
借入金利子(全額)100万円
その他経費50万円
不動産所得50万円(黒字)

黒字の場合は、土地分の利子も含めて全額経費として計算します。

ケース2:不動産所得が赤字

項目金額
家賃収入500万円
減価償却費800万円
借入金利子(全額)100万円
その他経費50万円
不動産所得▲450万円(赤字)
項目金額
土地分の利子40万円
損益通算できる赤字▲450万円 + 40万円 = ▲410万円

赤字の場合は、土地分の利子を損益通算から除外します。

計算の手順

ステップ1:総借入金利子の確認

金融機関から送られる返済予定表で、年間の利子支払額を確認します。

ステップ2:土地・建物の価格比率を確認

売買契約書、固定資産税評価額、不動産鑑定などを参考に、土地と建物の価格を把握します。

ステップ3:按分計算

借入金利子を土地分と建物分に按分します。

ステップ4:損益通算の判定

不動産所得が赤字の場合のみ、土地分の利子を損益通算から除外します。

注意点

1. 黒字の場合は制限なし

不動産所得が黒字であれば、土地分の利子も含めて全額経費として計算できます。制限がかかるのは赤字の場合のみです。

2. 複数物件の場合

複数物件を保有している場合、不動産所得は合計で計算します。

物件A:黒字100万円
物件B:赤字300万円(土地利子50万円含む)
合計:赤字200万円
→ 土地利子50万円を除外 → 損益通算は150万円

3. 購入年の利子

購入年は、物件取得日以降の利子のみが経費となります。

4. 借入金の用途

不動産購入以外の借入金(生活費など)の利子は経費になりません。

申告書への記入

確定申告書の「不動産所得」欄で、以下の金額を記入します。

  • 必要経費の欄:借入金利子(全額)
  • 土地等を取得するために要した負債の利子の額:土地分の利子

e-Taxや会計ソフトでは、自動計算されることが多いです。

まとめ

  • 借入金利子は経費だが、元本返済は経費にならない
  • 不動産所得が赤字の場合、土地分の利子は損益通算から除外
  • 土地と建物の按分は購入価格の比率で計算
  • 黒字の場合は制限なく全額経費として計算可能
  • 確定申告書に土地分の利子を正しく記入

土地利子の損益通算制限は、4年償却投資の節税計算に影響します。正確な計算のために、税理士への相談をおすすめします。

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