税務・確定申告 公開: 2025.01.15
借入金利子の経費計上|土地分の制限に注意
借入金利子とは
借入金利子とは、不動産購入のために借り入れたローンの利息部分のことです。
不動産所得の計算において、借入金利子は重要な経費項目です。
借入金利子の経費計上ルール
基本ルール
| 項目 | 取り扱い |
|---|---|
| 借入金利子 | 経費(必要経費) |
| 借入金元本返済 | 経費にならない |
損益通算の制限
不動産所得が赤字の場合、土地取得のための借入金利子は損益通算から除外されます。
不動産所得(赤字)から除外する金額:
土地取得のための借入金利子
土地・建物の按分計算
按分の考え方
土地と建物を一括で購入した場合、借入金利子を土地分と建物分に按分します。
土地分の利子 = 総利子 × 土地価格 ÷ 総借入額
建物分の利子 = 総利子 × 建物価格 ÷ 総借入額
計算例
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 物件価格 | 5,000万円 |
| 土地価格 | 2,000万円 |
| 建物価格 | 3,000万円 |
| 借入額 | 4,000万円 |
| 年間利子 | 100万円 |
按分計算
土地分の利子 = 100万円 × 2,000万円 ÷ 4,000万円 = 50万円
建物分の利子 = 100万円 × 3,000万円 ÷ 4,000万円 = 50万円
※借入額が物件価格より少ないため、比例按分
実際には、借入金の充当順序によって計算方法が異なる場合があります。
損益通算の制限の具体例
ケース1:不動産所得が黒字
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 家賃収入 | 500万円 |
| 減価償却費 | 300万円 |
| 借入金利子(全額) | 100万円 |
| その他経費 | 50万円 |
| 不動産所得 | 50万円(黒字) |
黒字の場合は、土地分の利子も含めて全額経費として計算します。
ケース2:不動産所得が赤字
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 家賃収入 | 500万円 |
| 減価償却費 | 800万円 |
| 借入金利子(全額) | 100万円 |
| その他経費 | 50万円 |
| 不動産所得 | ▲450万円(赤字) |
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 土地分の利子 | 40万円 |
| 損益通算できる赤字 | ▲450万円 + 40万円 = ▲410万円 |
赤字の場合は、土地分の利子を損益通算から除外します。
計算の手順
ステップ1:総借入金利子の確認
金融機関から送られる返済予定表で、年間の利子支払額を確認します。
ステップ2:土地・建物の価格比率を確認
売買契約書、固定資産税評価額、不動産鑑定などを参考に、土地と建物の価格を把握します。
ステップ3:按分計算
借入金利子を土地分と建物分に按分します。
ステップ4:損益通算の判定
不動産所得が赤字の場合のみ、土地分の利子を損益通算から除外します。
注意点
1. 黒字の場合は制限なし
不動産所得が黒字であれば、土地分の利子も含めて全額経費として計算できます。制限がかかるのは赤字の場合のみです。
2. 複数物件の場合
複数物件を保有している場合、不動産所得は合計で計算します。
物件A:黒字100万円
物件B:赤字300万円(土地利子50万円含む)
合計:赤字200万円
→ 土地利子50万円を除外 → 損益通算は150万円
3. 購入年の利子
購入年は、物件取得日以降の利子のみが経費となります。
4. 借入金の用途
不動産購入以外の借入金(生活費など)の利子は経費になりません。
申告書への記入
確定申告書の「不動産所得」欄で、以下の金額を記入します。
- 必要経費の欄:借入金利子(全額)
- 土地等を取得するために要した負債の利子の額:土地分の利子
e-Taxや会計ソフトでは、自動計算されることが多いです。
まとめ
- 借入金利子は経費だが、元本返済は経費にならない
- 不動産所得が赤字の場合、土地分の利子は損益通算から除外
- 土地と建物の按分は購入価格の比率で計算
- 黒字の場合は制限なく全額経費として計算可能
- 確定申告書に土地分の利子を正しく記入
土地利子の損益通算制限は、4年償却投資の節税計算に影響します。正確な計算のために、税理士への相談をおすすめします。


